プリズムレンズ
こんにちは。視能訓練士の藤原です。
今回は「プリズムレンズ」のお話をさせて頂きます。
皆様の中にも、物が二重に見えるようになって、眼科受診をされたり、眼鏡屋さんに相談されたりと、そのようなご経験ある方がいらっしゃるかもしれません。
眼科では物が二重に見える事を「複視」（ふくし）といいます。
複視は、①単眼性複視、②両眼性複視に分類されます。
①単眼性複視は、「片眼」だけで二重に見える症状の事を言います。原因は主に乱視、白内障などで眼科の病気です。乱視は眼鏡やコンタクトレンズで治療します。白内障は進行すると、手術の適応となります。
②両眼性複視は、片眼で見た時は二重に見えないのに、「両眼」で見た時は二重に見える症状の事を言います。人は通常両眼で物を見ます。両眼の視線が揃うと、片眼ずつで見えている物を、脳で一つにまとめて見る事が出来ます。（両眼視は視野、遠近感、3次元で物を見る事においてとても大切です。）何らかの原因で両眼の視線が不揃いになると、両眼性複視が起こります。両眼性複視の原因は様々で、斜視などの眼科の病気だけでなく、眼の動きに関わる脳神経が麻痺したり、脳梗塞が出来ても起こります。（それらによって斜視が起こる。）放置していても、自然に回復するものもあれば、重篤な疾患の初期症状として現れるものもあるので、注意が必要です。脳神経外科との連携が不可欠です。
脳の病気が否定されても尚、両眼性複視が改善されず生活に困る方がおられます。
そんな時は、「プリズムレンズ」で両眼性複視が改善できる事があります。
プリズムレンズは、プリズムレンズを通して見た景色が、本来の位置からずれる事が特徴です。その特徴を生かし、敢えて景色をずらす事で両眼性複視が起こらないように合わせます。
上記図で説明致します。
右の図は、外斜視と言って右眼が外側に向いています。それが原因で両眼性複視が起こり、景色が二重に見えているとします。図では右眼の眼前にプリズムレンズを置いています。プリズムレンズは、プリズムレンズを通して見た景色が頂角方向にずれるので、景色がずれる方向と、右眼が外側を向いている方向が一致しています。プリズムレンズを利用して、視線がずれている方向に景色をずらして合わせる事で、両眼性複視が起こらないようにしています。
左の図でも同様で、右眼が内側を向く内斜視で、プリズムレンズの頂角方向と一致しています。
斜視の方向や程度も個人差があり、さまざまですが、プリズムレンズも度数を上げる事で景色のずれを大きくする事が出来るので、合わせる事が出来ます。
重度の斜視でなければ、眼鏡レンズにプリズムレンズを組み込む事が出来るので、近視、乱視、遠視が有っても同時に矯正する事が出来、見た目も普通の眼鏡と変わらない仕上がりになるのでとても良いと思います。
重度の斜視でも眼鏡の上から特殊なプリズムシートを貼って矯正出来る事もあります。
斜視の程度も検査で定量（程度の数値化）が出来るので、気になる事があればご相談下さい。
糟屋郡久山町を中心に、篠栗町、新宮町、東区蒲田、名子、みどりが丘、最近では、香椎、千早、和白、また古賀市、福津市、宗像市からなども多数ご来院いただいております。
土曜、日曜、祝日を中心に大変混み合うようになって来ております。コロナウィルス感染拡大防止のため、出来るだけ密にならないように心配りをしております。また、待ち時間を出来るだけ短縮できるように、スタッフ間でよく話し合っています。安心してご来院いただける様に努めています。
眼の事でお困りの事があれば、川原眼科久山クリニックにご相談下さいませ。
