弱視は早期発見、早期治療が大切です。
こんにちは。視能訓練士の藤原です。
今回は「弱視」のお話をさせて頂きます。
皆さまは「弱視」って、聞いた事がありますか?保育園、幼稚園また小学生のお子さまがいる方は聞いた事があるかもしれません。
「弱視」とは、”視力検査で、どんな種類のレンズ矯正しても、よく見えるようにならない眼の事”を言います。つまり、眼鏡やコンタクトレンズを使っても視力が出ない状態です。
弱視は大きく分けると2種類です。
1つ目は、「器質弱視」といって“眼球の病気が原因で、治療や訓練でも視力発達が困難なもの”
2つ目は、「機能弱視」といって、“治療や訓練により視力が発達するもの”です。
視力向上の治療の対象となるのが、2つ目の「機能弱視」です。
「機能弱視」はその原因により以下のように分類されます。
① 両眼ともに近視、遠視、乱視が強いために起こる弱視(屈折異常弱視)。
② 片眼だけ近視、遠視、乱視が強く、見えづらい方の眼を使わなくなる弱視(不同視弱視)。
③ 片眼の視線がずれているために起こる弱視(斜視弱視)。
④ 逆まつ毛で目に傷があるなどで、視覚情報が遮断されて起こる弱視(形態覚遮断弱視)。
視力の発達は0歳から始まり、遅くとも10歳ぐらいまでと言われています。
この時期がとても大切で、前述のような原因があり、気づかずにいると、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が出ない「弱視」になってしまいます。
このため、前述の原因はできる限り、早期の発見、早期の治療が望ましいです。
① ②の治療は、近視や遠視や乱視を矯正し、きちんと度数の合った眼鏡を掛ける事です。
ただし、強い遠視の場合が特にですが、小さいお子様ほど、ピントを合わせる力がとても強いため、正確な度数が分からない事があります。
こういった場合は、”調節麻痺剤“といってピントを合わせる力を、点眼薬を使って取り除いてから度数を測ると正確なデータを得る事が出来ます。
点眼薬の効果はピントを合わせる力を取り除くだけでなく、瞳が開いた状態が続くので、眩しく見えづらい状態になります。1、2日続くものや、長くて2~3週間続くものもあります。
予約を取っての診療をお勧めしています。
正確な度数が分かれば、後はその度数の眼鏡を掛ければ、徐々に視力が向上してくるはずです。時々、眼鏡を掛けるのを嫌がるお子さまもいますが、お父さまやお母さまに大切さを伝えて、掛けてもらうようにお願いしています。
③は視線がずれている方の眼が、弱視になっている事が多いので、ずれていない方の眼を眼帯などで閉じて、見る事を促す治療を行います。①、②でも片眼だけ視力が向上しない場合は、この治療を行います。
④は逆まつげの他に先天的に白内障がある子や、瞼が下がっている子などで、手術の適応となる事がほとんどです。
「弱視」の治療の経過には個人差があります。すぐに視力が向上しないお子さまも多いです。また小さいお子さまなので、視力検査が上手に出来なかったりと難しい事もあります。ですが、受診を続けてもらう事で視力が向上すると、この仕事のやりがいを感じる事ができるので、今後も頑張りたいと思います。
また当院は弱視治療が楽しくなる「みるみる手帳」を入れさせて頂いています。弱視治療の大切さが詳しく、分かりやすく書かれています。治療を始めるお子さまのお父さま、お母さまにお渡しして、一緒に頑張ります。上記写真は「みるみる手帳」と受診中のお子さまが描いてくれた僕の似顔絵です。
ありがとうございます。
眼の事でお困りの事があれば、川原眼科久山クリニックへお越し下さいませ。
古賀市、福津市、新宮町、篠栗町、東区青葉、みどりが丘などからもご来院頂いております。最近は特に土、日、祝日の午前が込み合うようになって来ました。午後は比較的スムーズに受診して頂けるかと思います。